非常時の食事として注目されているパスタ。果たして火や大量の水が使えない非常時に、本当に調理できるのでしょうか? 今回、災害時でも簡単に調理できる「水つけ」を実際に試してみました。最小限の水でパスタを食べられる状態にする実験に挑戦しました
1. 使用するパスタの紹介
今回使用したのは「麦の匠」の1.6mmパスタです。 こちらはふるさと納税での購入が可能です!
茹で時間は通常7分
2. 準備するもの
- パスタ(麦の匠)
- ジップロック
- 水
- ソース(市販のもの)
これらを準備し、実験を開始します!
3. 実験開始
開始時 – 水投入
ジップロックにパスタを入れ、パスタが浸る水を入れます。 災害時を想定して、最低限必要な水を使用します。
ジップロックをしっかりと閉じて、常温で放置します。
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経過観察
30分後 – 1回目チェック
ジップロックを開けてみると、パスタの色が白っぽく変わり始めています。
触ってみると、外側は少し柔らかくなっていますが、中心にはまだしっかりとした芯が残っています。
もう少し水に浸しておく必要がありそうです。
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1時間後 – 2回目チェック
水がかなり減っており、触った感じも非常に柔らかくなっています。
味見をしてみると、芯が残っていて粉っぽい感じが強く、まだおいしくは食べられない印象です。 とはいえ、最初の固さに比べるとだいぶ柔らかくなってきた印象です。
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水追加
もう少し柔らかくするために、水を追加します。これでさらに浸けておくことにします。
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1時間30分後
パスタは以前より柔らかくなり、麺を取り出すとぷつぷつと切れてしまいます。 引っ張ると弾力性がありました。
味見をしてみると、中心にはまだ芯が残っていますが、見た目は粘土のような白い色合いに変化しています。 この段階ではまだ完全に食べられる状態にはなっていません。
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1時間40分後 – 実食
いよいよ実食です。パスタを取り出し、期待を込めてソースをかけてみます。 実際に食べてみました。
いよいよ実食開始…。
そして全員が同時に気づいた真実。「あっ、これってただの生パスタでは?」
肝心のパスタはもちもち感が全くなく、どちらかというと粘土のようなネチッとした食感。
そうなのです。1時間40分かけて到達したのは「生パスタが手に入った」とほぼ同じ状態。つまり、まだ料理としては完成していなかったのです。
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この「まさかの気づき」をきっかけに、編集部では「せっかく生パスタまで戻したのだから…」と、次の一手を考えることに。
その後1分程度フライパンで加熱したところ、麺の色が黄色っぽく変化し食感が劇的に変わりました。これは、加熱することでデンプンを食べやすいタイプに変質させたことに起因するそうです。
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4. 調理結果のまとめ
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非常時の食事として水つけパスタは、パスタが柔らかくなるまで水につけておき、最後に軽くフライパンなどで加熱する、というのが最適解でした。
通常であれば乾麺をゆでるために大量の水を使用し、さらに長時間の加熱が必要なパスタですが、災害時の調理法として、「水つけ→軽く加熱」という手順が最適解とわかりました。
災害時には限られた資源の中で調理しなければいけない事態が想定されますので、このように工夫することで色々な食事を楽しむことができます。
Tips
- ジップロックはしっかり密閉すること
- 水の量は少なめでスタートし、様子を見ながら追加
- 最後の軽い加熱で仕上げの調理