みんなで助かるために、災害にあった外国人が困ること

災害にあった外国人が困ること

・日本人にとって当たり前なことでもパニックになる

・非難を呼びかける日本語が分からず避難が遅れる

・欲しい情報を自力で収集することができない

目次

日本で暮らす外国人は総人口の2パーセント

日本に住む外国の方は年々増え続けており、令和5年6月末現在における在留外国人数は322万3,858人となり、前年末(307万5,213人)に比べ、14万8,645人(4.8%)増加しました。
(注 出入国在留管理庁HPより https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00036.html )

日本で暮らす外国人の中には、日本に来て初めて自然災害に遭遇する場合も多くみられます。

そういった環境に加え、慣れない言語での対応が必要になるため、パニックに陥ったり困りごとに多く遭遇することとなります。

外国人が感じる壁

実際に、2016年の熊本地震の際に外国人が感じた壁として以下の2点が挙げられました。

1.ことばの壁

行政の車が来ても何を呼びかけているのか分からない、どのように情報を収集し、その内容の真偽を確かめるのかが難しくなります。

普段聞き慣れない災害時にしか注目しない単語も多く、「避難所」「警報」など、それぞれの言葉が何を意味しているのかを把握するのに難易度が高くなります。

日本人からすると、災害時の注意点や避難所へ避難することに関して普段から気にかけている分頭に入りやすいですが、母国で過ごした時間が長い外国人の場合、地震や台風などのリスクや、避難所という概念もよく分からなかったりする可能性もあります。

2.食べ物の壁

色々な宗教を信仰している方がいる中で、例えばイスラム教徒であれば豚やアルコールを含んでいるものを食べたり飲んだりすることができません。

調味料などにも気をつけなければならない状況で、普段は戒律に従い作られていることを示すハラル認証を目印に食べ物を選んでいます。

しかし、避難した先での炊き出しや支援物資などには何が含まれているのか分からず、口にできないこともあったと言います。

避難所の方に聞いても、内容は分からなかったとのことです。

外国人を守る防災対策のポイント

外国人を守る災害対策を行うためには、まず困りごとを解決していく必要があります。

外国人に伝わるやさしい日本語

は|はっきりと 

さ|最後まで

み|短く言う

(参考 https://www.nhk.or.jp/bousai/articles/21549/

外国人が抱えることばの壁を乗り越えるためには、まずは高齢者でも子供でも分かりやすい、やさしい日本語で話しかけるのがポイントです。

例えば、避難所でよく使う言葉をやさしい日本語に言い換えてみましょう。

  10時消灯 → 10時に電気が消えます。寝る時間です。

消灯という言葉は普段あまり使わないことも多く、特に漢字に馴染みがない国の方ですと更に想像しにくい場合もあるかと思います。

消灯=寝る時間という意味合いも含めて言葉で説明すると、なぜその状況になっているのかを理解しやすいです。

ご自由にお持ちください → 一人1個です。

これは熊本地震の時に実際に避難所で使われた事例だそうです。

日本語にはときどき暗黙のルールが含まれており、外国人にとっては受け取り方が難しいため、災害時には分かりやすく正確に伝えることが重要だと言います。

そうすることによって、お互いに誤解が生じることなく過ごすことができます。

多言語で情報発信

Safety tips

こちらは、観光庁監修のもと開発された、日本国内における災害情報等を通知するアプリです。

日本国内における緊急地震速報や津波警報、噴火速報、気象警報、台風情報、熱中症情報、国民保護情報、避難情報等を通知する無料アプリです。

訪日外国人旅行客向けに、災害時に役立つ様々な機能があります。

日本語、英語、中国語(繁・簡)、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、タイ語、インドネシア語、タガログ語、ネパール語、クメール語、ビルマ語、モンゴル語の14か国語(15言語)で提供しています。

防災訓練を日頃から積極的に行う

地域や、外国人を雇用する企業内などで行う防災訓練は、外国人財に日本の災害の特徴や、身の守りかたを伝える上で重要な機会の一つです。

社内でできない場合は防災研修を開催し、どこにいても必要な情報を入手するための情報を学べるよう環境整備が必要です。

訓練を実施できる場合は、積極的に参加してもらい、救助や身を守る術など、初動対応についても知ってもらい、速やかな対処方法を身体で学んでもらうのが理想です。

まとめ

公共交通機関がストップした場合などの帰宅困難時の対応や、職場での宿泊をせざるを得ない状況などに備えた備蓄品の扱いかたなど、様々な状況での過ごし方についても学べるようにしておくと良いです。

外国人でも、日本人であっても、いざという時に自分の身を守れる備えや訓練に参加することが大事です。

まずは平時から自分の身を守る術を考え、理解し合う姿勢を持てば災害の時に役立ちます。

日頃から有事の際の対応にしっかりと備え、落ち着いて行動し助け合っていくことが大切ですね。

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