ずっと気になっていました。災害時に出た膨大すぎる量のごみやがれき。誰が、どこに、あっという間に、片付けてくれるのだろう。
そんな折、インスタグラムで仙台市環境局から当企画展の案内が流れてきました。
新しい切り口だな、何が起きていたか知りたい、知るべきだ、と思いました。
このポストがきっかけで、2016年にオープンした「せんだい3.11メモリアル交流館」(以下、メモ館)に初めて行ってみました!
イベント基本情報
〈企画展〉 3.11現場の事実×心の真実
『生活の、あとと、先 ~「ごみ」と災害~』
災害時に欠かせない仕事の一つ、「廃棄物処理」。
思いがけず「ごみ」となった無数の人びとの暮らしの跡は、
どこへ行くのだろう?
■展示期間
2025年3月1日(土)~7月31日(木)
■展示場所
せんだい3.11メモリアル交流館 2F展示室
■開館時間
10:00~17:00
■休館日
毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)、祝日の翌日(土・日曜日、祝日を除く)
■入館無料
メモ館は仙台駅から地下鉄東西線で約15分の荒井駅(西側の終点)舎内にあります。
荒井駅は、最寄りの海岸までは約5kmの距離です。
展示室は2階にあり、エントランスには仙台市在住のイラストレーター・佐藤ジュンコ先生が描かれた仙台沿岸イラストマップがあり、来館者のみなさんも付箋で彩りを加えていました。(大きすぎてカメラに収まりきれませんでしたので、全体像はぜひ生で、もしくはメモ館ウェブサイトをぜひご覧ください)


私が訪問したのは平日の午前中だったのですが、次から次へと人が往来していました。
ご夫婦、学生さん達、意外にも男性1人も多かったです!
ここで学んだこと
まず、この展示は、「Build Back Better(よりよい復興)」にもつながる災害廃棄物の処理現場について伝えることを目的としています。
ここで使われている「ごみ」という表現には、単なる「要らないもの」という意味ではなく、かつては生活の一部であり、暮らしそのものであったものが多く含まれます。
そのため、よりよい未来への願いを込めて、災害によって生じた廃棄物全体を括弧付きの「ごみ」と表現しています。
1、通常の7年分の「ごみ」が一度に発生するも(272万トン)、約3年間で処理され約84%が再利用され生活の中に戻った!
2、分別すればするほど燃やすものはなくなる。ルールを守ることが大事
3、仙台市職員のみなさん、本当にありがとう
1、通常の7年分の「ごみ」が一度に発生するも、約3年間で処理され約84%が再利用され生活の中に戻った!
知りませんでした。信じられません…!思わず「えー!」と声が出てしまいました。
あの窮地でも、落ち着いて、未来を見据えて、最善の対応をされたこその功績です。
1年は収集・撤去にかかるので、実質2年で処理完了というスピード偉業には本当に頭が下がります。
ぜひ展示をご覧になって、私のように、衝撃を受けてほしいです。
2、分別すればするほど燃やすものはなくなる。ルールを守ることが大事。
例えばテレビは、市民仮置き場から搬送後、メーカーごとに分別されリサイクルへ。
この時間と手間をかける余裕があの時どこにあったでしょうか。
仙台の方言で言うなら、私なら「やんだぐなる」(嫌になる)です…。
もうとっくに逃げ出していると思います。自分が居たたまれなくなりました。
一方で、家庭から出るごみは震災後10%以上増加、震災前の水準に戻るのに8年を要した、と紹介されていました。日頃から私達にできること、まだまだありそうです。
家庭ゴミの1/3は生ごみ。まずは、「3つのきる」:「使いきる」「食べきる」「水気をきる」を徹底していきたいと思います!
3、仙台市職員のみなさん、本当にありがとう
仙台市観光局職員インタビュービデオはぜひ見ていただきたいです。(収録時期:2025年1月)
[1]大規模災害の廃棄物処理(7分19秒)
[2]想定外の業務(8分3秒)
[3]そこには人がいる(7分50秒)

特に印象的だったのは、職員Oさんの「現場に行くと逆に安心する」というエピソードです。
日中は現場で業務を遂行し、夜、津波で被災しなかった地域に帰ってくる。横断歩道を渡るカラフルな服の人達。場違いな自分。なぜ自分はここに?おかしくなっている感覚はありました、と。
職員のみなさんが身を挺してくださったおかげで、いま私達は安心して生活できています。
迷惑をかけたくないな、備えないとな、と思いました。
もしかしたら顔出しや体験談を話すことにも抵抗があった方もいらっしゃるのかなと思うので、インタビューに応じてくださり、リアルなお話を聞かせてくれて、本当にありがとうございます。
心からの尊敬と誇りです!
まとめ
災害と「ごみ」という観点から、あのとき何が起きていたのか、どなたによって、どのように「生活の痕跡」が生まれ変わったのか、わかりました。
あんな混沌の最中、ご家族の安否も不明な中、秩序だってオペレーションしてくださった職員のみなさんの責任感と使命感には本当に感服と感謝しかありません。

当企画展は7月末まで開催されています。
ここでしか見られない内容、感じられない経験だと思います。
私もまた会期中に何度か脚を運びたいと思っています。
「平常時にできないことは、災害時にもできません」
おまけ
アンケートに回答すると、仙台市のごみ減量・リサイクル推進のキャラクター、ワケルファミリーの激レアブックカバーがもらえます。
交通機関で本を読む時にこれつけてたらかっこいいー!やったー☆

ちょっと深呼吸したくなったら、屋上庭園で休憩もできますよ~
高い場所のオープンスペースはなんだか空気が気持ちいいな!

初訪問の記念として「メモ館オリジナル防災マステ」、買っちゃいました!
仙台市沿岸部の人々の震災前後の想いや活動を描いたミニ漫画「海辺のメモリアル帖」もフリーでゲット!
どちらもジュンコ先生のイラストがかわいいです

※近くには、現在は震災遺構となっている荒浜小学校(海から700m)などもあります。
もしお時間がありましたらぜひ行かれてみてください。常設展でも紹介されています。
何度か訪問したことがありますが、やはりこみあげるもの、考えさせられるものがあり、経験してよかった場所です。
